"現代に町屋はありえるか?"そんなテーマの下に設計した住宅です。敷地は四天王寺の東側に位置し、昔からの生活道路と新しい幹線道路に挟まれていたため、両側の道のスケールを調停する為にRCの壁と矩形の箱を末広がりに配置し、吹抜け土間空間を介してその広がりを感じられるように居住スペースを配置しました。両側の道に面したバルコニーは後退距離とレベル差によって都市への親密さとプライバシーの性格付けをし、生活道路側の小広場には出土した石と前家で育てておられた植栽を配しました。コストのかかる大きな仕掛けはせず、小さな工夫を身体感覚と感情へと働かせて快適な空間を作ってきた前時代の町屋建築に習った住宅です。
所在地:大阪市天王寺区
竣工年:2012年
用 途:個人住宅
構 造:RC造
規 模:地上3階
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